保健センターで働いた栄養士の本音
このコンテンツでは下記の方が対象です。
- 保健センターで働こうと考えている方
対象者の方は続きをお読みください。

- 40歳
- 1年半
- 母子保健に関わる栄養相談
保健センターの栄養士で働いてみて実際辛かったことは何でしょうか?
辛いことはありませんが、健診での栄養相談は短時間で1度きりなのでとても神経を使います。
相談に対して対象者の満足する話の内容であったかどうかを毎回思い起こし、次の栄養相談に備えていないと後悔することになってしまいます。
チェック!!
例えば、保健センターの離乳食講習会でリーフレットを配っていますがその中に「牛乳は満1歳になるまで飲み物として与えないこと」というものがありますが、これに対して「どうしてですか?」という質問がとても多いです。
このような質問に予め回答を用意しておかないと栄養士としての信頼を失うことになります。
また栄養面での回答が完璧でも、質問された方が納得していない顔のまま帰ると、後で保健センターに電話が来て再度相談となり、他の栄養士に迷惑がかかります。
質問者が毎回笑顔で帰っていただけるようになるまでは、勤務時間外でも本を調べたり、夜その日の相談を思い返して対応におかしなところがなかったかとよく眠れなかったりしたことが大変でした。
働く前と働き出してからどんなギャップがありましたか?
保健センターまたは保健所栄養士の仕事は母子保健の他にも学校給食、病院、高齢者福祉など沢山の分野に関わっていて異動があれば容赦なくそれまでと違う分野に携わることに改めて驚きました。
現在は母子保健が主な仕事で、子育て経験や家庭を切り盛りすることが業務に役立っていることが多いですが、成人の栄養相談の時、特に高齢者の栄養相談には自分が経験していないことも多いので、まだまだ勉強が必要と感じています。
学校で公衆栄養を学んでいるときには分からなかったことがはっきり理解できるようになります。
良かったことは何でしょうか?
人の役に立てたという実感が得られることです。
特に子供の栄養相談はお母さん、お父さんが些細なことでも心配になっていることが多いので話を聞いて的確な受け答えをすることがとても大事です。
相談が終わって帰るときに笑顔で「ありがとうございました。」と言ってもらえることが何よりも嬉しい瞬間で、この仕事をもっと頑張ろうと思います。
また、仕事で得た知識が子育て中の自分の生活にも役立っているので、業務のための自主学習に積極的になれることも良かったと感じています。
新卒の人、保健センターに転職を考えている人はどんな事を学んでおくべきですか?
保健センターの栄養士は対象者と接する機会が多いので、いろいろな場所で沢山の人と話をしておくと良いと思います。
自分の周りが当たり前の環境と思わず、様々な環境に置かれた人のことを知っておくことが業務に役に立ちます。
大勢の人の前で話をすることもあるので、そういった経験があれば尚良いです。
チェック!!
学生時代にクラブ活動やボランティアで子どもや高齢者対象の食育・栄養教室の経験が今後は必要になってくるのではないかと思います。
他、何か実際の話
妊婦さんの栄養相談のときに「インターネットの掲示板に載っていたけどどうなんですか?」という質問がとても多いです。
勤めて間もないころに全く聞いたことのない内容に対して「すみません、ちょっと初めて聞いたのですぐにお答えできないです。」と言ったところ、『ああ、この人じゃ頼りにならないなあ』という顔をされてしまいました。
その後他の栄養士に代わりその方は不満なく帰られましたが、 プロの栄養士として自信を持って回答できるようにしておかないといけない と実感した苦い思い出です。
上記は個人の感想です。