公開日:2015年12月19日

検食のポイント。気を付ける事

目次

検食には大きく2つの解釈1)があります。

  • 中毒発生時の保存食としての検食(大量調理施設衛生管理マニュアル)
  • 喫食者へ提供する前の検食(入院時食事療養制度)

又検食に関する法律で校給食衛生管理基準もあります。

食中毒発生時の保存食としての検食(保存食)

大量調理施設衛生管理マニュアルでは、原材料および調理済み食品は、 食品ごとに50g程度 ずつ清潔な容器(ビニール袋)などに入れ、密封し、 マイナス20℃以下で2週間以上保存 すること。なお原材料は、特に、洗浄・殺菌などを行わず、購入した状態で保存することが法律で義務づけられています2)

検食の目的は、食中毒が発生したときや、苦情などがあった場合の原因を明確することです。そのため、全ての原材料、調理したものを採取します。

大量調理衛生マニュアルでは冷凍保存したものを検食として定義をしています3)

大量調理施設衛生管理マニュアルにある保存食に必要な50gって何の目的があるの?

検食の採取量が50g程度となっているのは、食中毒発生時や苦情などの原因究明の検査を行う際の最低限必要な量だからです。

じゃ、温度や期間については?

地球は丸い!!

温度については、細菌が増殖するのを防ぐためです(一般的に細菌はマイナス15℃程度で増殖が停止します)。

また、平成8年の腸管出血性大腸菌Oー157による食中毒事件が発生した際、ウイルスが体に取り込まれてから症状が現れるまでの期間(潜伏期間)が3~9日間あったそうです(従来の保存期間は3日間でした)。

その事件以来、細菌の潜伏期間を踏まえて2週間となりました。

・・・ワ、ワイルド・・・

保存食は、万が一食中毒が発生した時にもすぐに対応できるように保存した食材・料理には提供時の日付と朝・昼・夕などの記入し、一日分ごとに冷凍保存をしましょう。

大量調理については大量調理の調理工程のコツをご覧ください。

喫食者へ提供する前の検食。

施設の責任者あるいは給食責任者は、調理後、喫食者に食事を提供する前にいくつかのチェックを行います。

  • 喫食者に対して栄養量、または食事の質が適当であるか。
  • 味付け、彩り、形態(キザミ食、ミキサー食など)が適切であるか。
  • 食品の異臭、異味、異物など衛生上問題がないか。

これらを検食担当者が検食し、結果を検食簿に記入、捺印し、管轄部署で保管します4)

検食簿は施設ごとにあり、検食者が食べた感想の記入欄などがあります。

  • 「味が薄すぎる」
  • 「食材の切り方が適切ではない」
  • 「彩が寂しい」
  • 「料理の盛りつけを工夫してほしい」

などの料理の改善を検討する際のアドバイスとしての役割もあります。

今日の魚は、少し魚の臭みを感じたよ。

今日の昼の検食簿には魚の臭みに対して指摘が書いてありました。何か工夫する点はありますか?

生姜を臭み取りとして調理する際に入れてみましょうか。

また、調理従事者等の衛生管理として、大量調理施設衛生管理マニュアルには、食中毒が発生した際、原因究明を確実に行うため、原則として調理従事者は当該等施設で調理された食品を喫食しないこと。

ただし、原因究明に支障を来さないための措置が場合はこの限りではない。(毎日の健康調査および月1回以上の検便検査等)5)との記載もあります。

なお、入院時食事療養制度※1の届出を行っている医療保険期間において医師または栄養士による検食が毎食行われます4)

療養病床が、介護療養病床と同様に「住まい」としての機能を有していることに着目し、介護施設において通常本人や家族が負担している食費(食材費+調理費相当額)及び居住費(光熱水費総額)を自己負担6)するもので、年齢や所得、療養病床などに応じて1食辺りの負担額が決まっています。

学校給食衛生管理基準。

この基準は、学校保健法の趣旨を踏まえ、学校給食における衛生管理の徹底を図るための重要事項について示したものです。

その中での検食とは、②喫食者へ提供する前の検食の内容に加え、細かな規定があります。

具体的な例としてー
  • 当日の給食については、学校給食調理場及び共同調理場の受配校にいて、あらかじめ責任者を定めて検食を行うこと。
  • 納品された食品の製造年月日又はロットが違う場合はそれぞれ保存すること。
  • 卵については、全てを割卵し、混合したものから50g程採取し、保存すること。
  • 使用水について日常点検で異常を認め、または残留絵塩素濃度が基準に満たない場合は、再検査を行い、その上で適と判定した水を使用した場合は、使用水1をマイナス20℃以下で2週間以上保存食用の冷凍庫で保存すること7)

関連法規中に出現する「検食」と「保存食」の違いを表でみてみましょう。

文献
1)医療情報 科学研究所:クエスチョン・バンク 管理栄養士国家試験問題解説 2007 p7532)、3)、4)、5)7)藤原尚子、宮原公子、藤井恵子、水野文夫、名倉秀子、関千代子:「給食経営管理論[第2版] 株式会社建帛社 p182, 208,220
6)関東信越厚生局

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