栄養士の就職 おススメ人気企業や採用試験内容 新卒の就職率

ここでは栄養士の就職について
これらを解説していきます。
栄養士新卒の就職率や実際の就職状況(学校別)
栄養士養成施設卒業後の就職率は下記のようになっています。(平成25年度)
(※人数の隣の()は全卒業生に占める栄養士就職者の割合です)。
栄養士 (短大) 6448名(54.5%) |
栄養士 (大学) 854名(32.3%) |
管理栄養士 (大学) 8962名(61.1%) |
専門学校 (栄養士) 2150名(78.4%) |
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1 | 工場・事業所 | 35.4% | 福祉施設 | 29.3% | 病院 | 27.1% | 福祉施設 | 25.7% |
2 | 福祉施設 | 23.8% | 工場・事業所 | 28.3% | 工場・事業所 | 25.9% | 工場・事業所 | 24.4% |
3 | 病院 | 20.9% | 病院 | 12.3% | 福祉施設 | 15.4% | 病院 | 22.9% |
4 | 介護保険施設 | 13.5% | 介護保険施設 | 10.5% | 介護保険施設 | 9.7% | 介護保険施設 | 14.8% |
5 | 学校 | 1.4% | 学校 | 6.5% | 学校 | 5.2% | 学校 | 1.9% |
6 | 養成施設 | 0.6% | 官公署 | 0.5% | 官公署 | 2.1% | 養成施設 | 1.2% |
7 | 官公署 | 0.2% | 養成施設 | 0% | 養成施設 | 1.0% | 官公署 | 0.3% |
その他 | 4% | その他 | 11.2% | その他 | 12.2% | その他 | 8.7% |
(全国栄養士施設協会より)
毎年、約18000人の卒業生が新卒として就活をしています。
その中でも栄養士として就職する割合は各学校を平均すると50%ぐらいです。
栄養士の免許を取得しても栄養士以外の就職先を選ぶ人が半分くらいであるというのが現状です。
それには、給与や待遇も影響していると思われます。
栄養士の給与は、職場によってばらつきはありますが、月収16万~22万ほどです。年収にすると250万~400万ほどです。
新卒の募集は、短大卒・専門卒よりも大学卒のほうが1万円~3万円前後の月収が多いのが現状です。
資格手当等が付く会社もありますが、栄養士で2千円~1万円、管理栄養士だと5千円~2万円くらいが平均的です。資格手当が込みで上記の月収となります。
給料に関して詳細は栄養士の給料 手取りは安い?男性は?保育園、病院、職場毎の給料をご覧ください。
待遇については、病院や福祉施設等、食事を3食提供する施設は、早番や遅番があり、シフト制出勤になるため休みも不定期になりがちです。
また、栄養士といえば、事務仕事がメインと思われがちですが、献立作成や在庫管理をしながら、調理作業や配膳作業もこなさなくてはならず、体力も使います。
これは、完全に会社や職種によるのでどこに就職しても、このような環境ではありませんが、同じ免許を持ちながら待遇の差が大きく、仕事量の多いところのほうが求人は多く出ているのが現状です。
栄養士の仕事の詳細は管理栄養士、栄養士の仕事内容 保育、病院など 直営委託の違いをご覧ください。

栄養士の就職先の選び方
栄養士として就職先を選ぶとき、一番大切なのは自分がどんな分野で働きたいか、はっきりさせておくことです。
栄養士の仕事先は幅が広いため、どのように仕事をしていきたいかよく考えて就職先を決めるべきです。たとえば、
- 病院で患者さんの健康のための食事を作り提供したい、食べる物や栄養素に制限がある患者さんへの対応食をつくり、またそれらの患者さんへの栄養指導を行い、ともに病気の治療を行ってゆきたい。と考えているならば病院へ。
- 小さな子供が好きで、幼稚園や保育園で子供たちに喜んでもらう食事を作りたい。と考えているならば幼稚園・保育園などの施設へ。
- 小中学校で、児童・生徒へ給食を提供したいと考えるなら学校給食関係へ
- 福祉施設や介護施設で、ご高齢の方に喜んでもらえ食事を提供したいと考えるならそれらの施設へ
- 企業や官公署で食事摂取基準に見合ったおいしい食事を社員の方に提供したいと考えるなら工場・事業所・官公署などへ
- 食や栄養素に関する研究や商品を開発したいと考えるなら研究の企業へ
- 健康指導や食事指導など、食事の提供ではなく情報や知識を提供する仕事をしたいなら保健所や市役所などの職員等へ
そのほかにも、大学の食堂や、防衛施設、スポーツ栄養を学びスポーツジム等で食事相談をしたり、アスリートの専属の栄養士として働く、また自身で健康的な食事を考案し本を出したりしてフリーで活躍するなどやりたいことにより就職先は大きく変わります。
そして、やりたいことが決まったら、次は待遇を考えましょう。
- 給料はどうか
- ボーナスはどれくらいか
- 休みは定期的にきちんと取れるか
- 残業はあるか
- 残業手当はつくのか
- 退職金は出るのか
- 福利厚生はどうか
など求人募集に必要事項がのっているので、よく確認しましょう。
求人を探したい人は管理栄養士・栄養士・調理師の求人転職サイト 募集採用の求人プロをご覧ください。
給食を提供している企業や学校、福祉施設、病院等では給食を委託しているところも多くあるため働きたい場所が委託か直営か調べておくことも必要です。
委託給食とは、企業等が委託給食会社に献立作成や調理を委託することです。
委託給食会社は、契約先の企業の厨房や調理機器を使い、契約先のお客様に食事の提供を行います。
直営給食とは企業に雇用されて同じ従業員として食堂等で食事の提供をすることです。
委託給食とは委託給食会社に雇用されて、各企業に配置され食事の提供をすることです。
契約先の会社や病院に出勤し食事を提供していますが、その会社の従業員ではないということです。
企業や工場、病院も委託会社を入れるところが増えているのが現状です。(直営のように会社が従業員を雇うコストや人材管理労力の削減のため)
委託か直営かで栄養士も働く立場が変わります。
先に調べておかないと行きたいところに行けなくなる可能性があるので注意です。

栄養士から人気のある就職先と就職試験内容
新卒の就職状況からみると、事業所・工場、病院、福祉施設が上位にあります。
これらが上位にあがる理由の1つは需要の高さ、つまり求人募集の量にあると思います。
学校給食や官公署、 管理栄養士の公務員 などは上位の施設に比べて圧倒的に数が少なく、そして募集も少ないです。既存の栄養士が退職等で席が空いたときにしか募集がかかりません。
それに比べると、上位の施設はこれからも需要が見込まれる施設なので、どこも人員が必要です。
もう1つの理由は、上位の施設は栄養士としてやりがいを感じることができる職場であるということです。
栄養士としてやりがいを感じる部分は人によって異なりますが、献立管理、食事の提供、栄養指導、食事相談等、栄養士としてやりたいと考えていた仕事がこなせる施設です。
試験内容は、施設によってさまざまですが、基本的には書類審査(履歴書やエントリーシート)→筆記試験→面接(2次面接があるところもある)の流れです。
試験を一度受けたから終わりというわけではありません。
特に面接を重要視する傾向があるので、面接の準備はしっかりしておいたほうがよいでしょう。
面接の詳細は 管理栄養士の面接 よく聞かれる質問内容 職場別、面接対応例など をご覧ください。

就職する際に有利になる資格
栄養士とともに持っていたほうが有利に働く資格は調理師の資格です。
栄養士とともに調理師を募集している企業は多く、両方の仕事がこなせることを証明することができ、採用にも有利に働きます。
あとはどんな対象者がいる職場に就職するかで変わってきます。
福祉施設・介護保険施設等→ケアマネージャー、ヘルスケアプランナー
病院や事業所、福祉施設等→栄養情報担当者(NR)、ヘルスケアプランナー
などがあると就職有利に働きます。
調理師と栄養士実際に就職に有利になるのは?その理由
就職先にもよりますが、栄養士のほうが就職には有利に働くと考えられます。
調理師として就職する場合、仕事内容は調理員です。そのため栄養士より調理師のほうが給料の安い求人もよく見かけます。
ただの調理員がほしいのであれば、バートやアルバイトでも正直構わないのが現状です。
ですが、栄養士は調理ができるのは当たり前、プラス献立作成や栄養指導を行うことができる立場ですので、栄養士としての免許が生きてきます。
また特定の集団給食施設においては、栄養士の設置努力義務、管理栄養士の設置義務などがあり、いなくてはならない存在だからです。