公開日:2015年12月18日

栄養スクリーニング。栄養ケアマネジメント(栄養状態のリスクわけ)について

目次

栄養スクリーニング 栄養ケアマネージメントの事ついてー

ーこれらを解説します。

はじめに

栄養ケアは、問診、臨床診査、臨床検査、身体計測および食事調査等を用いた栄養スクリーニングによって、対象者のなかから有リスク者を抽出することからはじまります。

個々の栄養状態を評価した結果に基づき、健康の維持と食生活に関連する問題点を捉え、これを解決していくための栄養ケアプランを対象者とともに作成します。

実生活に取り入れた結果や経緯をモニタリングし、その成果をフィードバックすることが栄養ケアの流れといえます。

栄養スクリーニングを覚えて病院へ転職を考えている人は 管理栄養士求人の病院 をご覧ください。

栄養スクリーニングとは。

集団のなかから健康を損なっていると疑われ、精密検査を必要とする者、および発病している者を選び出す医学的なふるい分けのことをいいます。

このふるい分けが対象者の栄養状態を障害するリスクの有無を判断し、低栄養状態のリスク判定の基準となります。

健康時の栄養状態は、性別・年齢、身長・体重、発育・成長などそれぞれの過程において一定の基準を用いて評価されます。

食事摂取量の調査や身体計測(身長、体重、上腕周囲長、上腕三頭筋部皮下脂肪厚など)をおこない、また、比較的簡易な血液生化学検査、尿検査や免疫能検査の結果などと併せて、栄養状態を悪化させる関連因子を明らかにすることが目的です。

栄養スクリーニングの帳票 様式・記入の一例。

≪身長・体重≫

対象者の身長および体重は、基本的には実測にて確認します。実測困難な場合については、自己申告による記入とします。

身長は対象者の身体状況により立位で計測できない場合もあるので、そのときは仰臥位で計測する方法をとりますが、仰臥位で計測したことを付記します。

また、体重測定時の着衣は目安として1kg程度差し引くなど、おおよその着衣重量を考慮します。

≪BMI≫

BMI(Body Mass Index:ボディ マス インデックス)の算出方法は、身長と体重を以下の式で計算します。

BMI(kg/m2)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

体重40kg・身長150cmの人の場合。

BMI=40÷1.5÷1.5=17.8

≪体重減少率≫

1~6ヶ月間(1ヶ月前、3ヶ月前もしくは6ヶ月前)の体重記録あるいは問診結果と、現在の体重から体重減少率を算出し、記入します。

体重40kg・身長150cmの人の場合。

BMI=40÷1.5÷1.5=17.8

≪血清アルブミン値≫

血清アルブミン値が検査値で確認できる場合は、記入します。血清アルブミンの半減期が2~3週間なので、1ヶ月以内の値を指標として用いるのが理想的ですが、参考としてそれ以前のデータを記入することもあります。

≪食事摂取量≫

6ヶ月前やおおむね体重減少がみられないときに摂られていた食事摂取量(通常量)と比べて、チェック時の摂取量(特にごはんやパンなどの主食、肉や魚などの主菜)が4分の3程度より下回っている、 あるいは1日の食事回数が2回以下であって、1回あたりの食事摂取量が普段より少ない場合などに、75%以下と考えます。

≪栄養補給法≫

経腸栄養・静脈栄養を実施している対象者は、栄養補給が十分に確保されていないことが危惧される可能性があり、また、 感染症などのリスクが高いことから低栄養状態に陥りやすいと判断し、リスク有りと判定します。

≪褥瘡≫

褥瘡の有無を記載します。褥瘡の発生には、低栄養状態が要因のひとつとされているため、褥瘡がある場合は高リスクと判定します。

低栄養状態のリスクの判断。

すべての項目が低リスクに該当する場合には、「低リスク」と判断します。高リスクにひとつでも該当する項目があれば、「高リスク」と判断し、それ以外の場合を「中リスク」と判断します。

低リスク,中リスク,高リスクBMI,体重減少率,血清アルブミン値,食事摂取量,栄養補給法,褥瘡,18。5~29。9	18。5未満,変化なし,(減少3%未満),1ヶ月に3~5%未満,3ヶ月に3~7。5%未満,6ヶ月に3~10%未満,1ヶ月に5%以上,3ヶ月に7。5%以上,6ヶ月に10%以上,3。6 g/dl以上,3。0~3。5g/dl,3。0g/dl未満,76~100%,75%以下,経腸栄養法,静脈栄養法,褥瘡有

BMI、食事摂取量、栄養補給法については、その程度や個々人の状態などにより、低栄養状態リスクは異なることが考えられます。そのため、 対象者個々の程度や状態などに応じて判断し、「高リスク」と判断される場合があります。

まとめ

栄養状態のリスクを判定するためには、上記項目の該当有無だけに捉われず、栄養障害がある対象者を見逃さないように取り組むことが効果的であるといえます。

「元気がない」「顔色が悪い」などの見た目の情報も重要です。

これを主観的包括的評価法(SGA:Subjective Global Assessment)といい、問診項目と病歴、身体症状から構成され、対象者の栄養状態を主観的に評価します。

特殊な測定器具などを必要とせず、迅速かつ容易に栄養状態が評価できるだけではなく、検査結果を用いた客観的栄養評価では得ることのできない対象者の生の情報を得ることができます。

ページTOP