公開日:2016年9月20日

食材の在庫管理。目的、在庫食品受払簿と棚卸。食材の原価管理

はじめに

在庫管理は、栄養管理に基づいた献立管理を具体的に実現するために発注、納品、原価把握など食材にかかわる一連の業務が適切行われるように管理を行わなければなりません1)

在庫管理の目的。

在庫の管理は、よい品質の製品を経済的に製造するために、合理的に製造の準備をし、最終製品になるまでの過程に、むだ、むら、むり、がないように管理することをいいます2)

主に乾物や缶詰、冷凍食品などの貯蔵食品などが在庫管理の対象となります。

その時々の状況に合わせて、在庫の量が適切になるように管理の在庫管理を行ないます。そのため、在庫量が多すぎても、少なすぎてもいけません。

保管している在庫量が多すぎると問題があるのでしょうか?

在庫が多すぎると原材料の購入する費用がかかります。

その他、在庫を保管する場所の確保や維持するための人件費、消費期限、賞味期限切れなどで原材料を使い切れない場合は損失も発生してきます。

在庫がたくさんあった方が、何かあった時に対処できる!という気持ちから多く在庫を抱えてしまうことは、無駄な経費や時間を費やすことにつながります。

在庫量が少ない場合はどうなのでしょうか?

給食業務でいうと、喫食者(患者さんなど)が急に増え、食材使用量が急激に増えた場合や、調理ミスなどによる食材のロスに対処できなくなりかねません。

そのため、各施設では発注から納品までの期間に支障をきたさない量を最少限度量といって、原材料を確保するためにある程度の在庫を抱えています。

在庫の最少限度量は、できるだけ日々確保できているのが理想なんですよね。

最少限度量は従業員みんなが知っていた方が効率的ですね。食品棚の前面に表示したほうが良いと思います。

それなら、最少限度量に近づいた食品を発見した従業員は、発注担当者に報告するようにしてもらえるとより効率的になりますね。

在庫食品受払簿と棚卸。

在庫食品受払簿

納品された原材料と、その使用に伴う在庫量の変動を記録したものを食品受払簿といいます3)

在庫食品受払簿は在庫管理のための帳票になります。在庫食品受払簿は、在庫食品として決めているもの(米、味噌、醤油、酒、塩、砂糖など)について、月末の棚卸と照合することを目的としています。

在庫食品受払簿のやり方としては、伝票などに日々使用した原材料を使った分記載していく方法で、使用した原材料、日時、分量などを1食または位1日分ごとに記入していくものです。

記入していくことにより、月末などに使用した分を合算し、照合していきます。

例えば、昼食で合わせて醤油を100g使用したら、-100gと在庫食品受払簿記入し、1日、1ヶ月などで醤油が減った分を合算していきます。

在庫食品受払簿により、納品された原材料と、使用した量は概ね一致するはずですですが、保管中に原材料の予定外の使用などにより食い違いが発生する可能性があるため、定期的にチェックをしましょう。

生資産評価鮮食品(肉、魚、野菜)などの原材料は、毎日在庫を確認する必要はないので、在庫食品受払簿については不要です。生鮮食品などは棚卸でチェックをします。

在庫食品受払簿は、なんで毎回、毎日記入しないといけないんですか?月末に1度程度でもいいんじゃないですか?

最近では、ある一定の期間(棚卸)でまとめて原材料を合算している施設も多いみたいだけど、在庫食品受払簿に記入することにより正確に在庫を把握することができるメリットがあるんですね!

棚卸

棚卸は、原材料などの在庫を調査して数量を確かめることで、原価計算などの資料になります。

つまり、棚卸は決められた期間の原価を出すための作業で、基本的には1ヶ月に一度、月末に行う施設が多くみられます(一周間単位で行う施設もあります)。

対象とするものは、生鮮食品を含めて全ての原材料が対象となります。

棚卸って原材料の全てが対象になっているけど、粉ミルクやトロミ剤は除外してもいいんですよね?

いいえ!棚卸は施設1ヶ月分の食材の原価を出すための重要な仕事です。粉ミルク、トロミ剤、お茶葉など全ての原材料が対象なります。棚卸は、しっかりと行ってください。

食材の原価管理(原価計算)

原価管理は、食材料費,労務費,諸経費の適正枠を検討・把握し健全な経営が可能な範囲においての食事内容の改善向上を目標・目的としています。

原価とは製品の生産と販売などの経済行為に要した 費用を単位あたりに計算した金額 のこととなります。

原価の構成要素として、下記のものがあげられます。

食材料費

生鮮食料費・調味料費などの原材料。

労務費

賃金・賞与・退職金の引当金・諸手当(住宅手当・扶養手当など)・福利厚生費。

諸経費

光熱水費・減価償却費・消耗品費・修繕費・衛生費(検便・健康診断・衛生検査・クリーニング代など)

通常1ヶ月の期間であるが、3ヶ月から1年を見ることもあります。

また、原価計算といっても、食材料費(食材原価)の計算だけでも充分かも知れません。

食材料費は、在庫金額、支払金額を基にして計算します。

原価計算をする期間の食材料費は、原価計算期間のはじめ(期首在庫金額)と、期間中の支払金額の合計から原価計算期間の終わり(期末在庫金額)を差し引いて計算します。

食材料費

(期間中に購入した食材料の費用)+(在庫から使用した食材料の費用)-(在庫に回した食材料の費用)

=期間中の支払金額+期首在庫金額-期末在庫金額4)

図1 医療情報 科学研究所:クエスチョン・バンク 管理栄養士国家試験問題解説2007

食材料費って計算式を出されてもピンとこないな・・・。

図1に簡単にした表があるので見てみてくださいね。なんとなくイメージがつきませんか。

食材料費は月にいくらまでと各施設では大抵決まっています。

安全の確保、サービス、提供時間の厳守などから喫食者に満足していただける食事を提供することも大切ですが、コストの低減も重要になってきます。

喫食者に適した安全で安心なおいしい食事をきめられた時間内に提供することと共に、コスト面からも商品価値の高い食事を提供する事も重要な使命といえるでしょう。

参考文献
1)、2)、3)、4)藤原尚子、宮原公子、藤井恵子、水野文夫、名倉秀子、関千代子:「給食経営管理論[第2版]」 株式会社建帛社 P112、P113

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