公開日:2016年8月25日

大量調理の調理工程のコツ

はじめに

大量調理では、調理の手順、調理操作、調理時間を標準化します。そのためには、料理それぞれに品質の基準を設定し、施設の調理機器の性能や調理従事者の人数や技術を十分に把握しておくことが大切といえます。

調理工程と品質管理

品質管理、すなわち、調理後の形状、テクスチャー、味、温度など総合的な美味しさを目的として、調理方法の標準化を検討します。その際、大量調理の問題点と要因について、各施設の条件等を把握し、検討しましょう。

下調理操作

洗浄

水切り操作での付着水を少なくする方法を検討します。付着水はゆでる、炒めるなどの加熱条件と出来あがりの品質に影響します。また、生野菜では調味料の浸透にも影響します。

切截と廃棄

料理を予定の量に仕上げるためには、廃棄量を少なく、一定にするための作業管理が必要です。廃棄量は切り方、調理技術、作業の機械化などにより大きく変動します。

調味(下味)

一定の味に仕上げるために考えられる変動要因、廃棄による処理量、調理操作、調味順序、調味時間を統制する必要があります。

加熱操作

ゆでる

加熱時間の長さは、色、やわらかさ、テクスチャー、味に関係し、さらには、無機質やビタミン類の残存率などにも影響します。

加熱機器、ゆで水量、食材の投入量によって加熱に要する時間が異なります。

加熱機器の熱容量に合わせて、ゆで水量と1回の食材量を決めることをおすすめします。つまり、加熱機器の熱容量によって、食材の内部温度上昇速度が変化するといえます。

煮る

和食の煮物では、煮くずれや調味の不均一などの問題が生じます。加熱機器および1回の仕込み量、煮汁の量、加熱速度、調味や撹拌のタイミング、余熱などさまざまな点で検討が必要といえます。

炒める

熱源と加熱機器の熱容量に対して、炒める食材の分量が多いと、投入後の温度降下が大きく、炒め時間が長くなります。

炒め時間が長くなると、野菜からの放水量が多くなり、調味料や栄養成分、旨味などが流出し、品質が低下する恐れがあります。

揚げる

揚げ物の美味しさは、食材が適度に加熱され、衣がカラッと軽いテクスチャーにあります。揚げ油の量、油の温度、投入量が関係し、とくに投入量が揚げ時間に大きく影響すると考えられます。

蒸す

常圧では、蒸気の温度は100℃または100℃以下で食材を加熱することをいいます。蒸し器内の温度は火加減によって調整することが一般的ですが、温度管理が自動制御できるスチーマーは操作が容易です。

調味操作

調味は、下調理や加熱操作と同様、料理を美味しくするための操作といえ、調味料の分量や調味の方法が、品質管理をするうえで重要な要素であるといえます。

大量調理において、常におなじ味に仕上げるためには、調味を数量化することのほかに、調理操作が標準化されているかどうかもポイントになります。

調味の数量化

調味の数量化とは、調味する食材等に対する調味料の割合を示すことですが、調理材料の何に対する割合かによって変わります。一般的には以下の表のように考えます。

汁物 実の少ない汁→だし汁に対しての割合 実の多い汁→だし汁、または出来あがり量に対しての割合
煮物 煮上がったとき、煮汁を残さないもの→全食材料に対しての割合 すき焼き風煮など煮汁が残るもの、中華風の炒め煮など→食材料とだし汁に対しての割合 おでん→だし汁に対しての割合
和え物 調味前の食材料に対しての割合  下味:加熱前または加熱後の重量  和え衣:下調理後の重量
サラダ 生、または下調理後の重量に対しての割合
ソース類(ホワイトソースなど) 出来あがり重量に対しての割合
味ご飯 具と飯、または具と米に対しての割合
焼き物、揚げ物 生の重量に対しての割合で行うが、調理による重量減少を考慮する。 たとえば、塩味を1%にしたいとき、加熱後の重量が80%になるものは、生の重量の0.8%の調味にする。

⇔割合部分は何%になるのかご記入下さい。

調味の数量化は、出来あがりの料理の味の濃い薄いが数値によって検討できるので、次回の調理に役立ちます。

調味の割合を効果的に使用するためには、調味の割合の数値を感覚で覚える必要があります。つまり、味を数値で覚えることになり、これは正確に調味された料理を繰り返し行うことで習得できます。→?

温度管理

調理した食事を適温で提供するためには、配食時間に合わせた調理作業計画と保温、保冷機器が必要です。

とくに温かい状態で提供するものは、加熱終了からの品温の低下がすみやかであるため、保温機器の使用は不可欠です。

保温機器には、料理を加熱終了後から配食までの間に保温する温蔵庫と、配食後に保温する保温配膳車があり、加湿、再加温および湿熱加温機能を備えたものもあります。

いずれの場合も、料理の美味しさを損なうことのないよう配慮が必要です。そのため、保温機器の機能と保温による料理の品質の変化を考慮し、料理ごとに保温機器の設定温度と保温時間の限界をあきらかにする必要があります。そのうえで、料理および配食の作業計画を検討します。

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