社会環境と健康の過去問解説と出題のポイントや
勉強法ガイドライン変更点
この範囲はまんべんなく出題されているのでいかに効率よく勉強するかは重要ですね。
ここでは社会環境と健康に関してのー
ーこれらを解説します。
社会環境と健康の出題傾向とポイント。
社会環境と健康で毎年必ず出題されているのはー
- 公衆衛生
- 衛生統計(人口動態統計、疾病統計など)
- 環境保健
- 疫学
- 国民の健康づくり
- 生活習慣病
- 感染症予防
- 高齢者保健
- 歯科保健
- 母子保健
- 学校保健
- 労働衛生(産業保健)
- 地域保健
- 国際保健
- 社会保障
ーと、社会環境と健康のほぼすべての分野から幅広く出題されている。各単元の主な出題事項はー
- 公衆衛生について(歴史、公衆衛生活動と根拠法)
- 衛生統計(人口動態統計の統計指標(特に年齢調整死亡率)、疾病統計(患者調査)の近年の統計値、死因順位、国民健康・栄養調査、国民生活基礎調査)
- 環境保健(公害、上下水道、食品中の水銀、カドミウム)
- 疫学(*2で記載)
- 健康づくり(健康日本21、喫煙・飲酒、睡眠指針、身体活動)
- 生活習慣病(悪性新生物-部位別年齢調整死亡率の順位、部位別死亡率の年次推移、心疾患、脳血管疾患)
- 感染症予防(感染症法 類型別感染症の名称、エイズ、結核)
- 高齢者保健(医療確保法、介護保険制度)
- 歯科保健(歯科保健活動、歯周疾患リスク、齲歯、健康日本21関連)
- 母子保健(健やか親子21)
- 学校保健(学校保健安全法、学校保健統計調査結果、)
- 労働衛生(産業保健)(特定保健指導、労働衛生の3管理、労働衛生の現状)
- 地域保健(地域保健事業の内容、地域保健法、保健所、地域保健センター)
- 国際保健(WHO活動、プライマリ・ヘルス・ケア、アルマ・アタ宣言、途上国の健康問題)
- 社会保障(我が国の社会保障制度の種類、各制度:医療制度、介護保険制度、後期高齢者医療制度、公的扶助の内容・特色・保険者・被保険者、国民医療費)
社会環境と健康分野の勉強の最重要箇所。
管理栄養士の社会環境と健康の分野は毎年合計20問出題されており、 幅広い分野からまんべんなく出題されているが、この中で特に出題が多い分野(毎年2問又は3問)はー
- 公衆衛生について(歴史、公衆衛生活動と根拠法)
- 衛生統計(人口動態統計の統計値と統計指標(特に年齢調整死亡率)、疾病統計
- 環境保健(公害、上下水道(普及率)、食品中の水銀、カドミウム
- 疫学
ーである。中でも疫学は3問の年度が多く、必ず出題されている。
- 疫学研究の手法
- 疫学指標と疾病頻度
- 暴露硬効果の測定(相対危険度、オッズ比、寄与危険、偽陽性率と陽性反応的中度など)の方法。
- 意味、具体例における計算
などが求められている。あとは国民の健康づくり対策である 「健康日本21」における9つの健康の課題とそれらに対する対策に関連する出題が大半である。
社会環境と健康の得点を取るための勉強方法。
ほぼ全ての分野から幅広く出題されているので、テキストに従ってすべての分野を手抜きすることなく学習しておくことがまず大切といえる。
特に「疫学」は必ず出題されており3問の年度 が増えてきているので、テキストに従い疫学の手法 (観察研究-記述疫学、横断研究、症例対照研究、コホート研究、介入研究-無作為比較研究)、 疫学指標と 疾病頻度、コホート研究で用いられる暴露硬効果の測定(相対危険度、オッズ比、寄与危険など)の方法・意味を理解し、 どのような時に利用されるか具体例を見て、計算方法を含み基礎を確実に抑えておく必要がある。
国民の健康づくり対策である「健康日本21」の基本理念、9つの課題分野ー
- 栄養・食生活
- 身体活動・運動
- 休養・こころの健康づくり
- たばこ
- アルコール
- 歯の健康
- 糖尿病
- 循環器病
- がん
ーに関する現状・国の対策・今後の計画を詳しく学習しておく。
テキストに従って一応の学習を終えたら、まず一度、管理栄養士国家試験問題を解いてみる。 そこでできなかった問題、間違った問題について、解説をよく読み理解しなおす。 テキストの関連個所を再度学習し、未修得部分を補う。必ず、 解答のみならず解説を熟読すること。 管理栄養士国家試験過去問題は少なくとも5年分は目をとおし、1年分につき最低5回解いてみる。 模擬試験問題も同様である。
過去の国家試験問題は統計値が変わっている (古くなっている)ことが多いので、たとえばー
- 死因順位
- がんの部位別死亡順位
- 上水道、下水道の普及率
ーなどは最新の統計値を確認しておく必要がある。 それによって、答えが模範解答と異なる場合があるので注意すること。 国家施策、制度についても、過去問の場合は注意を要する。
26年度にこれまで出題されていない新しい分野としてー
- 「医療計画」
- 「市が行う保健業務」
- 「介護施設」
- 「母子保健分野」
ーで、母子手帳記載事項、先天性風疹症候群の関する問題が出題されている。
社会・環境と健康に関する近年の我が国の課題や国際的問題なども知っておく必要がある。 エボラ出血熱やデング熱などの感染症、危機管理に関する分野などがそれに相当する。 新聞やインターネットのニュースにも目を通しておく必要がある。
捨てても良いかもしれない分野勉強が苦手な人へ。
幅広く出題されている。過去4年間ほとんど出題されていなかった「人口静態統計、環境分野の室内空気環境、大気汚染、地球環境汚染(温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨)」分野も、第28回国家試験 (2014年3月実施)には出題されている。社会保障の中の「所得保障」は最近5年間は少なくとも出題されていない。
繰り返しテキストを読み、一応読み終えたら、完全には理解できていなくても、一度、 過去問 を解いてみる。そこから、苦手部分、十分理解できていない部分がみえてくる。
自分の苦手分野、未修得分野を1つずつ丁寧に学習し直し、1つずつ克服していく。これが良い勉強法でしょう。
専門用語が覚えられない人は、”えんぴつ(シャーペンではない)”を使って、”紙”に“何度も繰り返し”書いてみる。 覚えられなくても 問題が解けなくても、挫折することなく次の単元に進むことが大切である。
少々のことでは落ち込まない強靭な精神力とある程度のズルさを持つことも大切と思います。計算問題は”例題を完全に理解して覚える。”計算を間違えると致命的となるので、正確かつ早く計算できるよう、日ごろから小学校高学年程度の計算問題を時間を図って解くことを習慣とすることを勧める。
これは、計算問題を正解するだけでなく、集中力をつけることに役立ち、問題を読む速度、正解を導く出す速度を速める。また、ケアレスミスを防止することに も役立ちます。
ガイドライン変更で変わった点。社会・環境と健康。
- 各分野の出題数が10題減少し、応用力問題が10題増加した。
- 近年の我が国の社会・環境の変化(少子高齢化の一層の進行、国内常在感染症に加えて外来感染症の国内侵入・感染拡大の防止の重要性)に伴い、国や自治体の対策が医療と福祉の両側面から総合的包括的に強化され、関連する事項が小項目に加えられた。
具体的にはー
主要疾患の疫学と予防対策
がん対策、感染症(感染症法、検疫)、精神疾患(精神疾患と精神保健対策)、 その他の疾患では、CKD(慢性腎臓病)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、認知症。
保健・医療・福祉の制度
医療計画、障害者総合支援法、子ども・子育て支援制度、地域包括ケアシステム、 学校感染症(6.の感染症対策の強化と関連して、学校保健安全法による学校感染症対策の強化)
新ガイドラインに変わるにあたり気を付けるポイント気にしなくてよいポイント。
前記1.2)の内容と、従来からのポイントである4.健康状態・疾病の測定と評価の内容である疫学指標、測定法に関する問題は必須(毎年、必ず出題されている。)
気にしなくてよいのはー
環境と健康 の鼠族・衛生害虫(削除された)
主要疾患の疫学と予防対策の主要疾患から消化器疾患が削除された (「従来から変更のない部分」なら)大項目、中項目に全く変更がないので、前期1.2) の詳細な部分以外は概ね旧ガイドラインと同様である。
ポイントはこれまでと大きくは変わらないので、従来 の重要事項は押さえておく必要がある(但し、法・制度・指針・計画等改正・変更については常に最新を把握しておく必要がある)