応用栄養学の過去問解説と出題のポイントや
勉強法ガイドライン変更点
応用栄養学って食事摂取基準が変わって難しくなったの?
変わったけど、そんなに焦る必要はないわ。
そなんだ。(ケロッ!!)
く、詳しい事を伝えるわね。
ここでは応用栄養学のー
ーこれらを解説します。
応用栄養学の出題傾向と食事摂取基準の勉強ポイント
応用栄養学では、栄養ケア・マネジメントを基礎にして幅広く出題されており、最近の傾向は、
- ライフステージ別の各年代
- 妊娠期・授乳期
- 新生児期・乳児期
- 成長期
- 成人期
- 高齢期
がそれぞれ毎回出題されています。
「食事摂取基準の基本的理解」については、毎年複数問出題されるようになっています。
食事摂取基準を勉強するポイント、各ライフステージの特徴をふまえて勉強する。
妊娠期・授乳期 推定エネルギー必要量では、妊娠初期・中期・後期、授乳期ごとに付加量が設定されていますが、 栄養素では推定平均必要量・推奨量それぞれに初期~後期で設定されている栄養素とされていない栄養素があり、 それぞれに数値を覚える必要があります。
乳児期 摂取基準を求める科学的データの不足から、目安量のみしか設定されていないので、 数値を覚える必要はないと思われるが、目安量算定する際、健康な乳児の摂取する母乳や離乳食が根拠となっていることや 離乳食や母乳中含まれる各栄養素の濃度を主な栄養素では抑えておきたい。
小児期・思春期 年齢区分は覚えておく必要があり、特に思春期の発育に合わせて、 推定平均必要量が大きく増していく栄養素とその数値は抑えておきたい。
高齢期 食事摂取基準では、70歳以上を高齢者として基準値が設定されています。 加齢による体重減少や消化・吸収・代謝の変化に合わせて少ない数値設定になっている栄養素もありますが、 70歳以下と同じ栄養素も多い。それぞれ主な栄養素はどれかを抑えておきたい。
応用栄養学、勉強の最重要箇所
- 「妊産婦のための食生活指針」
- 「離乳・授乳の支援ガイド」
- 「健康づくりのための身体活動指針・基準2013」
の内容を問う問題が、ライフステージ別の各該当年代で出題されています。 「栄養教育論」の分野とも共通していますので、併せて学習しておく必要があります。
よく出題される応用栄養学妊娠母体の変化2つのポイント
循環血液量
循環血液量は、妊娠初期から徐々に増加し、妊娠28週~32週で40~50%増加し、分娩時まで持続します。 血漿成分が約50%増加するのに対し、赤血球量の増加は約30%であるため、相対的に貧血の状態になってしまします。
インスリン抵抗性
正常妊娠でも、食後の血糖上昇・高インスリン血症が認められます。 胎児へのグルコース供給を円滑にするため、インスリン抵抗性の上昇は生理的なものであり、 インスリン活性は非妊娠時の50~70%に低下することを理解しておく。 このインスリン抵抗性の変化の原因として、 種々のホルモンが関係することやその仕組みを理解しておく事が必要です。
応用栄養学の得点を取るための勉強法
栄養教育論と 公衆栄養学とのつながりが強いので、同時に学習しておく必要があります。 さらにライフステージ毎の生理的特長も問われるので、人体の構造と機能については、 先に学習しておいた方が理解しやすくなります。
捨てても良いかもわからない分野
栄養ケア・マネジメントの概念や栄養ケア計画の作成等は、 臨床栄養学においても学ぶことなので、そちらで十分に学習しておく必要があります。
応用栄養学の勉強が苦手な人へ
管理栄養士の応用栄養学では「妊産婦のための食生活指針」をはじめ種々の指針・基準等で項目や内容が細かく書き込まれていて、 すべての内容を覚えるのは困難ですが、それぞれポイントとなる項目がありますので、テキストや 過去問 で確認してその項目を中心に勉強すれば、正解を導き出すのは困難ではありません。
ガイドライン(出題基準)変更に伴う影響
ガイドライン(出題基準)の改定に伴う、応用栄養学分野においては大きな変更はなく、大雑把に言えば、 大項目では変更はまったくありません。
中項目で1・B栄養スクリーニングがなくなり、4項目から3項目に減った。 主には小項目の一部の削除、追加、表現の変更があったくらいである。
大項目1栄養ケア・マネジメントでは、 「A、b栄養ケア・マネジメントの過程」の( )の中が「PDCAサイクル」としてまとめられた。 また、 C(新規B)の小項目はa~gまであったものがa~dの4項目に整理され、D(新規C)の小項目もa~fがa~cの3項目に整理された。
しかし、内容的には旧ガイドラインと必要な知識は変わりなく、 従来のものと変わることを意識する必要はない。
大項目2も中項目Dのうちの小項目がいくつか入れ替わっているが、内容的に勉強する項目としては変わりがない。 大項目8の中項目Bに、最近注目されるようになった。
- 「c,フレイルティ」
- 「d,サルコペニア」
- 「e,ロコモティブシンドローム」
が小項目として加わった。最近話題にもなってきている事柄なので今度の出題は多くなると推察される。
大項目9の中項目Bの小項目
「b,運動基準」が「b,身体活動基準・指針」
改められたが、これは今使用されている用語に変わっただけである。 大項目10の中項目Bに小項目として「f,災害時の栄養」が加わったが、 近年注目されている事柄なので抑えておく必要がある。
まとめ
以上、まとめれば全体的には、従来のガイドラインと大差なく、項目の整理されたところが多く、 これらは出題傾向に変わりはないと推察できる。しかし、 新たに追加された項目は今後出題が考えられることから十分に学習しておく必要がある。