介護療養型病院で働いた栄養士の本音
このコンテンツでは下記の方が対象です。
- 介護療養型病院で働こうと考えている方
対象者の方は続きをお読みください。
はじめに
私立の病院ですが、近隣に4つの施設を持つ割と大きい医療法人が経営している病院です。
今でこそ、介護療養型でもNST加算が取れるようになりましたが、その当時は介護療養型ではNST加算は一切とることができませんでした。
それにもかかわらず、院長は「これからはNSTが必要だ」と私をNST担当者として採用してくれました。
そのため、栄養科の実務を行うというよりは、院長付きの秘書を兼ねての採用だったように思います。
辛かった事
この病院の栄養士として働いてみて辛かったことは、NST担当であり、 栄養科の実務は一切携わることがなかったことです。
所属は栄養科ですので、デスクは栄養科の事務室内に置いてありますが、私の行っている仕事内容は上司に説明しても理解されません。
最後は上司の「院長から頼まれたんだね」で終わってしまいます。
業務内容がまったく違うので、同じ部屋で同じ栄養科の所属のはずなのに、私だけは「他部署の人」といった扱い。
腫れ物に触るような、そんな扱いを受けていました。
私が入職する前に、上司は院長に呼ばれて「新しく栄養士が入るが、彼女にはNSTの仕事をしてもらうので、栄養科の実務は一切させないように」と言われていたと後になって聞かされました。
働く前と働き出してからのギャップ
働く前と働き出してからのギャップはありませんでした。
NSTを実施している施設も少ない時期でしたしNST担当というのがどのようなものなのかまったくイメージがつかめないまま、入職したので、院長に言われるがまま、必死にデータを集め、分かりやすくするためにデータを加工し・・・という日々の繰り返しでした。
良かったこと
重要!!
この病院の仕事で良かったことは「院長命令」という言葉の庇護の下、 患者様の病状を記したカルテと患者様ご本人をずっと見ていることができたため、栄養と病態の関連については深い知識を得ることができたと思います。
ここでの知識は後に別の病院で患者様を拝見して一瞬にして何をどうすればよいかを判断するための材料として役立つことになります。
新卒の人、病院に転職を考えている人へ
NST担当というのは「病棟栄養士」という意味でもありますので、栄養士会の言うところの「花形」と言って良いでしょう。
そのため、厨房内で働いている栄養士のみならず、栄養科の事務室で献立作成や発注業務などを担当している先輩方からの風当たりも強かったです。
ポイント!!
それでも、日々、新しいことを学び、発見もありました。
NSTを担当したいと思うのであれば、それぞれの病態に対する食事療法は大まかで良いので、医師から聞かれたら即答できるくらいの知識がほしいところです。
とは言うものの、同じ病態でも病院ごとに食事療法の考え方は若干の方針の違いが出てくる場合があります。
郷に入っては郷に従え」のことわざどおり、「その病院のやり方」を受け入れる度量の広さも必要だと思います。
その上でー
- 「この病院でできること」
- 「この病院でできないこと」
ーを考えます。
そして、できることのうち患者様に必要なことに優先順位をつけて患者様を快方にー
といっても介護療養型病院なので他院に転院するということはめったになく、退院は死亡退院が9割以上。
入院は死亡退院待ちといった状態。
快方に向かうというよりも「低空安定」を目指すというほうが正しいです。
ー向かうよう、医師や看護師等に話を持っていくのが大変です。
上記は個人の感想です。